お知らせ

印南まちづくり基金:地域にともす希望の光 廃校のツリープロジェクト②

 

inami2018

印南まちづくり基金は、平成25年に龍谷大学などが連携し印南町内に設置した地域貢献型メガソーラー施設「龍谷ソーラーパーク」の売電で出た収益の一部を、まちづくりに関わる活動や住民が主体となって取り組む団体の課題解決に役立ててもらい、豊かな地域社会の創造と発展を目指し設立した基金です。

今回は、この基金を活用したまちづくりの一例として、地域にともす希望の光 廃校のツリープロジェクトの取り組みを紹介します。 

前回のお話→ プロジェクト①はこちら

 


 

「考えてみてほしい。点灯したツリーを見た瞬間、集まったみんなはどんな表情になるだろうか?」当財団の有井代表理事が問いかけたのは、印南町真妻のツリーイルミネーションに向けた地元有志のプロジェクトメンバーたちです。

 

6

11

この日は真妻やまびこ塾メンバーが顔を合わせる3度目の会議。最初は顔見知り程度だったメンバーたちも、このためのLINEグループで親交を深めたりと、徐々に距離が縮まっているのを感じます。だからこそ、馴れ合いにならず改めて考えてほしいのが、プロジェクトの根幹となるメッセージ性でした。

 

メタセコイヤの木に灯すツリーイルミネーションに込めるのは、誰に向けた、どんなメッセージなのか。これによって、点灯する時期や意味合いが変わってきます。それぞれの思いを話し合う中で、やまびこ塾のメンバーが出した答えは「真妻の人」に向けたものであること。地域に住む人や自分たちの家族、そして地元を離れた友達。その人たちにとってこの光が心の癒やしになることが目的とのことでした。

 

このため、点灯の時期もクリスマスよりも帰省に合わせたお盆に設定。急いで点灯式やイベントの計画を立てることになりました。ただ、イルミネーションとひとことで言ってもどんな種類があり、いくらかかるのか見当もつかないというのがメンバーの本音。これを事前に聞いていたことから、地元力財団から提案したのが「フェスタ・ルーチェ」実行委員会に相談してみることでした。

 

イルミネーションといっても、どんな種類があり、いくらかかるのか見当もつかないというのが、メンバーの本音でした。「どんな形にするかも予算がちらついて考えにくい」。この問題は2回目の会議から出されていいたことから、地元力財団が提案したのが「フェスタ・ルーチェ」実行委員会への相談です。

 

EV_20000686_6952

フェスタルーチェの様子 

和歌山マリーナシティで一昨年から開かれているイルミネーションイベント「フェスタ・ルーチェ」は、初年度に8万人、次年度は10万人を動員した大スケールの光のフェスティバル。2018年にはイルミネーションアワードで全国7位に入賞するなど、全国的にも注目を集めるイベントです。この運営に名を連ねる株式会社タカショーデジテックは海南市に本社を構える屋外照明メーカー。まずはデザインや工事費の見積などの協力を打診したところ、やまびこ塾の話を聞いていただけることになりました。

 

 

2

12 

藤戸理事が参考となるイルミネーションのパンフレットを配り、さまざまな事例を目の当たりに。きらびやかな写真を見ながら「こんなのが予算内でできるの?」と、その声に混じるのは期待と不安。それでも、それぞれにイメージが膨らんでいるようです。

 

また、点灯式やイベントをどうするのかという話も、ようやく具体的になってきました。お盆というキーワードだけに、着想するのはやはり盆踊り。かつてあった行事を思い返して「上洞(かぼら)の盆踊りは楽しかったな」「いま真妻にあったら子供を連れて行きたいよね」「あれっていつまであった?」と思い出話に花が咲きます。

 

 

8

記憶を辿ると、およそ20年前に盆踊りは途絶えているとのこと。若手チームは「みんなが集まっているのが楽しくて本当に好きだった」と話し、当時運営していた父親世代のシニアチームは「ぜひ復活させたい」「昔のやぐらって残ってるか?」と盛り上がります。

 

イメージは地域ぐるみの大集会&同窓会。方向性が決まれば、あとはそこで何をすれば人が集まり、楽しんでもらえるか。「ゆるキャラを作ろう」「ビンゴゲームする?」などの案。中には「ギネスに挑戦」という案も。

 

「山の木を切ってきて飾るというのはあっても、生木のクリスマスツリーで30mもあるものは他にないんじゃないか」。もし挑戦するとしたら話題性はもちろん、認定されればブランド力にも。「ギネス」という思いもよらなかった言葉にシニアシームは目を丸くしながらも、その発想力に感心。最終的にイベントは若手チームで再度集まり次回までに決めることとなりました。

 

 

14

そして、この日は締め括りにバーベキュー交流会を開催。いつもの集会所の玄関前に照明を張り、コンロの形にテーブル中央をくり抜いた手製のBBQテーブルを囲んだ特設のバーベキューサイトができていました。

乾杯後には久々に顔を合わせたメンバーで旧交を深めたり、持ち寄ったお酒を酌み交わしながら会議の内容を改めて話し合ったり、年齢も性別も関係なく盛り上がりました。

 

 

23

今回のプロジェクトがなければ集まっていなかったメンバーたちが、そのテーブルを囲み会話に花を咲かせます。あふれる笑顔を見ていると、この地域の可能性を感じる瞬間でした。

途中には真妻地域の住民でもある日裏勝巳印南町長も合流。こんなざっくばらんな雰囲気の中で町長と話ができるなんて、若手にとっては滅多にない貴重な機会。大いに食べ、飲み、語り、熱い夜が更けました。

 

プロジェクト③につづく…