和歌山から「利他のこころ」「いのちの大切さ」を次世代へつなぐ
マンダラとは?
マンダラのマンダ(maṇḍa) は、輪・円・球と訳され、この世の全ての本質的な形を表している。マンダラには数百尊の様々な仏様が描かれています。
各仏様の周りには月輪(がちりん) と呼ばれる円形が描かれており、平面で表すと円であるが、本来は球体でその中に仏様がいます。球体の中に仏様がいらっしゃるこの様子は、太陽、地球、原子、素粒子など全ての本質は「球体」であるという、宇宙そのもののあり様を表しています。
マンダラが示す重要な教えは、存在するすべての仏(存在)が「360度の関係性を有する」ことです。つまり、この世界のあらゆる存在は関係性によって存在しており、その目に見えない関係性を認識することにより、人間の自分中心の視座から関係するすべての存在の視座に立つことが可能になります。
解決すべき地元の課題
高野山・熊野三山を有する和歌山県の精神性は、古来、紀伊山地の自然によって育まれてきたもので、国内外からその精神性を求めて多くの人々が訪れる、次世代に受け継がなければならない世界的な魅力である。県内を中心とする産官学の協力体制を構築し、「和歌山県 の精神性を受け継ぐ次世代育成のネットワーク」を形成することは喫緊の課題であり、日本の精神文化が息づく和歌山県独自の地元活性化の新たなプランが必要である。
事業の概要
(1)和歌山の子どもたちの力を合わせて 2025 大阪・関西万博に出品するオブジェを制作
県内の子どもたちが力を合わせ、「利他の蓮華」オブジェを制作するワークショップを開催すし、参加・協力すること(利他)の大切さ、「いのちの大切さ」を体感してもらいたい。 イタリア館でも「利他の蓮華」オブジェを展示予定であり、有志の子どもたちには日本語、 外国語(英語・中国語など)でオブジェの意義の説明を行い、国際性も身に着けてもらう。
(2)和歌山の文化・芸術・伝統工芸を次世代につなぐ STEAM 教育の展開
万博終了後には、制作されたオブジェを通して、県内の子供たちに和歌山県内で育まれてきた文化・芸術・伝統工芸を STEAM 教育や SDGs を具体的に考える教材として、県内の小中高校でのワークショップや出前授業を開催することで継続的に活用し、日本の精神文化が息づく和歌山の精神性を次世代につなぎ、国際性を身に着ける事業として展開する。
地元(社会)にもたらす価値
(1)未来の和歌山を担う次世代に地元へのアイデンティティを涵養する世界的な魅力を有する「和歌山の精神性」にもとづき次世代を育成する本事業は、未来の和歌山を担う世代に地元へのアイデンティティを涵養することになる。地元へのアイデンティティを持つことで和歌山の魅力を発見し、和歌山県内の文化・芸術・伝統工芸の後継者の育成、和歌山県の魅力の発信、さらには新たなビジネスを生み出すという効果が期待される。
(2)産官学のネットワークを構築することで和歌山独自の地元活性化モデルを創出する
すでに本事業は和歌山県・紀北の自治体や企業等の協力を得て進められており、紀中・紀南へも取り組みを広げていく。広い県域を有する和歌山県にあって、本事業が核となりそれぞれの地域が抱える課題を共有し、県全体でネットワークを構築して次世代の育成を推進するという和歌山県独自の地元活性化モデルを創出する効果をもたらす。